給食調理場から指曲がり症など、
公務災害をなくそう

指曲がり症の公務災害認定を
伊予市給食調理員・小笠原さん


伊予市で働く調理員、小笠原さんは、1985年から学校給食調理員として働いています。しかし、2001年に長期間・継続的に過度に手や指などに負担がかかったため、「両手指変形性関節症(指曲がり症)」と診断され、公務災害の認定を請求しましたが、地方公務員災害補償基金などは、具体的な作業実態や給食現場の検証等をまったく行わず、「調理食数」「調理員数」「作業環境」の画一的な基準からのみ判断し「公務外」と認定しました。そのため、2006年9月20日に松山地裁へ公務外認定の取り消しをもとめて提訴し、11回の裁判が開かれました。

 2008年10月21日、松山地方裁判所は、小笠原さんの指曲がり症の公務外認定処分の取り消しを命じる原告の「全面勝利」判決を下しました。

このたたかいは、小笠原さんの公務災害を認めさせるたたかいであるとともに、小規模単独校調理場をはじめ、学校給食職場から公務災害をなくし、安心して健康で働くことのできる労働環境を実現するたたかいです。

伊予市では、小笠原さんの先輩や後輩にも「指曲がり症」の症状がみられ、中には発症により、退職した調理員さんもいます。
 伊予市の教育委員会は2007年1月〜3月の間に全学校給食調理員38名に対し、検診を行い、なんと検診を受けた38名のうち15名が「指曲がり症」と診断され、その他12名も「指曲がり症」の疑いありとされています。

この裁判での判決は、小笠原さんに限らず、手・指の痛みに耐えながら給食調理業務に従事している全国の給食調理員の苦しみをなくすために、一刻も早く地方公務員公務災害補償基金に具体的実態を検証するなど、基準の見直しを行う必要があることを明らかにしました。私たちは公務職場から、恒常的な過重労働と公務災害をなくす闘いの先頭に立つ小笠原さんを支援し、すべての職場から公務災害がなくなるよう要求していきます。


                         指曲がり症とは?  

            地裁判決に対する声明           判決確定に対する声明